株・愚痴の裏道

「師匠、今年は師匠の時代？」
「恐らく8割方、そんな相場になる」
「ってことは、株が下がっちゃうの？」
「下がるしかないよ」
「じゃ師匠、勝つよね？」
「それは分からんけど、負けるつもりは今のところない」
「じゃ、いよいよ今年は計画実行ですかね？」
「移住！？」
「でも、その前にやることいっぱいだね」
「ああ」

（通販で買ったふくやの明太子を肴に）

最近贅沢にも晩酌が習慣になってきた。だが、デカチチは飲める女なんで、こういう晩酌は会話がスムーズでいいもんだよ。やっぱり少しでも話が出来る相手がいるのは、とても大切なことなんだよな。
もちろん、トランプのことも話題に上る。
「あちこちでデモ、凄いみたいですよ」
「バカなテレビはそういうの報道しないしな。自費で取材もしないバカ連中だからな」
「ってことは、トランプは本当に暗殺されちゃうかなぁ」
「そういうのは、計算できることじゃないから考えても仕方ないけどな」
「でも私は、家族を政治に出しちゃってるところが、嫌なんですよね。娘とか娘婿とか・・・」
「大統領になっちまってビビッてるんだって」
「えっ！？成ろうとしたわけでしょう？」
「偶然なっちまったんだよ。運命の悪戯」
 「そうなんだ・・・」

大統領に当選すれば4600名もの政権・行政スタッフを入れ替えないといけない。そんなのはままならんし、スパイも大勢入り込むしな。側近のスタッフだって、信用できない連中ばかり。いつ足元を掬われるかわからん状況ってのは、怖いよな。
それに、どうも経済政策のブレーンってのが過激な奴でしかも極右に近いって話。ガチガチの内向きな経済政策を打ち出してるのもその影響だろ。FRBには真っ向から喧嘩しかけてるしな。

FRBはバンバン利上げするだろ。そしてトランプはバンバン財政出動とドル安発言。
これじゃ、市場は右往左往で大荒れになるだろうし、最悪なのは債券金利の急上昇で、これが来れば株式市場は大暴落だ。
どうやら、カウントダウン！ （俺の見立てだが・・・）

「もう株買えないかなぁ・・・」
「買わなくていいよ。その分、俺が頑張るって」
「師匠！私気付いたんですけど・・・」
「何？」
「あの、二人合わせると目標クリアしてるんじゃ？ケラケラ」
「そうか？」
当面の目標ってやつな。でも、50代の男と40代の女があと30年、40年食っていくには全然足りんよな。せめてこの3倍は欲しい。
この荒れ相場・・・挑戦するしかないよなぁ。
 

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デカチチとトランプの就任式を見てたよ。
あまりの寒さに、つまみをつくって熱燗やりながら見てたんだけどな。
どうだい！この不人気っぷり（苦笑）
あのオバマの時とは大違いだぜ。聴衆もほとんど反応しないしな。こんな大統領就任式はかつてなかったような気がするよ。

だが・・・どうやらこのトランプという男、21世紀になってからの既存の考え方を変えちまうんじゃないか！？
俺はそんな気がしてきたよ。デカチチに「どう思う？」と聞いてみた。

「師匠、何かやる人って最初は受け入れられないから不人気なんじゃ？」
「俺もそう思うよ」
「そそ、ケラケラ。ならこのオジサンはきっと何かやると思います」
「そう思うだろう？」
「はい！」


なかなか、デカチチも鋭いこと言うじゃないか。歴史を見たって革命戦士は最初は嫌われ者さ。改革をなす人は拒絶されるんだ。だから改革なんだよな。

「アメリカって何でも嘘っぽいところがありません？」
「みんな嘘だからな」
「そうでしょう？でも、なんていうか、みんなあっけらかんとしてる国って感じ」
「キリスト教徒ってのは困ったら神様にお願いしちゃうし、間違ったら懺悔でスッキリ」
「そうなんですよね。陰では凄く悪いことしてても、人前では100万ドルの笑顔って感じ」
「それそれ」
「理解の外ですよ。ケラケラ」
「昨日は右、でも今日からは左、っていうのが簡単にできちゃう。それがアメリカ」
「分かる気がします」

トランプがいろいろと言ってたことは、きっと遠慮しないでドンドンとやってくる。日本車やドイツ車なんか平気で高関税なんてあるかも。ドル高になったら、「ドル安にする」と言い出すぜ、きっと。下手すれば変動相場制に制限をかけるかも。そのくらい平気でやる。
調整なんかしないで、ズケズケとやるとその影響が計り知れないわけだ。その度に相場は一喜一憂、乱高下。ヘッジファンドは大暴れ。


「師匠！チャンス拡大じゃないですか！ケラケラケラ」
「何が？」
「乱世はチャンスですよぉ　ケラケラ」
「そのかわり、負けたら貧乏暮らしだぞ！できるんか？」
「貧乏、慣れてますから　ケラケラ」

そういえば、離婚した時の悲惨な話も以前、聞いていたからなぁ。実家にも戻れず、所持金数千円で2ヶ月間車の中で過ごしたらしい・・・。 凄い体験を聞かされたよ（苦笑）

そういうわけで、俺は、「トランプが世界の価値観を変える」んじゃないか、と思ってるよ。よくなるか悪くなるかは分からんけど。従来の価値観はたぶん、ぶっ飛ぶ。
そんな予感がビンビンに伝わってきたぜ。

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今回の「米国大統領選挙～トランプ当選～就任式」という一連の流れをみてて、アメリカは完全に2分されたままだというのが分かるよ。共和党と民主党、トランプ派とヒラリー派、はあまりに政策が違いすぎる。もちろん2大政党制なんで違って当たり前なんだが、今回ばかりはちょっとトランプの危ない言動が多すぎるからな。
だが、民衆の反感による暗殺計画なら、警護を厳重にするとか、対策の打ちようがある。ましてや、今回の報道のように、イスラム国が暗殺を呼び掛けてるとなれば、この場合はターゲットがある程度特定しやすいので、さほど警護するのに難しさはないだろうと思うぜ。

「イスラム国：が暗殺計画、支持者に呼びかけか
　　　　　　　　　就任式を前に仰天情報が浮上


けれども、ケネディ暗殺をみても分かると思うが、アメリカ国内の既存勢力による犯行となると、まったくわからないんだよ。何か大きな力が・・・目に見えない権力が、アメリカ社会には厳然と存在するからな。


ケネディ大統領を狙撃した犯人としてリー・オズワルドが逮捕されたが、彼は犯行を認めていない。そして護送中にジャック・ルビーによって殺害されてしまった。つまりは真相を藪の中へ、という勢力の仕業だろうな。そのジャック・ルビーは3年後に肺癌（当局の発表）で死亡している。ここでも動機については結局分からず終いなんだよな。
その後もドナルド・レーガンが銃撃されたのも記憶に新しいぜ。

もっとも今夜の大統領就任式で何か起こるとは考えにくいが、トランプ新大統領には極めて強力な反対派がいることは明確だからな。アメリカの大統領選挙は究極のポピュリズム選挙と言われているが・・・大衆扇動で当選しても、大衆の半数は敵（反対派）であることが明確になるだけだ。

もしも、何かあれば・・・もちろん相場は大暴落だろう。そういう可能性も十分にあるってことを忘れないようにしたいもんだよな。

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