親が離婚したのは俺が7歳の時かな。
もう半世紀近く・・・2度ほど会った記憶があるが、それも薄れてしまって、ほとんど思い出せないんだ。ただ、子供の頃の記憶は残ってる。男二人の兄弟だったんで、子育てに疲れてたのかも。
めちゃめちゃヒステリックな女だったよ。
当時のことなんで、そして俺もわんぱくなガキだったんだろう・・・いつも殴られてたよ。ちょっとしたことで平手打ちされる。言葉より手が先に出る、そういう母親だったんだよな。

気持はわかるよ。
2歳下の弟と毎日泥だらけになって遊びまわって帰るわけ。
そりゃ、頭にも来るだろうよ。そして、一発、二発、殴られた。
眉間の皺寄せてな、大声張り上げて叱責された。
そんな記憶が大半なんだよ。

ただ、二つだけスイートな思い出がある。

いつか、風邪でも引いたのだろう。その時に、寝床に付き添ってくれて、お母さんはお前にバイオリンを習わせてあげるって言ってたこと。そして、トマトを大根おろしでおろして砂糖を混ぜたものを、食べさせてもらった記憶。
あの、なんとも甘くて中途半端な味を今でも忘れずに覚えているから不思議なんだよな。

いつか、山奥の母親の実家で、弟が練炭で両足をやけどしたことがあった。
昔は炬燵のなかに練炭をいれていたんだよ。そこに、猫が入ってぬくぬくしてたんだ。そして、しばらくすると炬燵から出てきて、フラフラになりながらとぼとぼ歩くわけ。酷い時にはそのまま倒れて、しばらく起き上がれないんだ。
それを面白がって見ていたんだよ。
そして弟が、その猫の真似をして炬燵の中へ。
少しするとギャーと叫び声とも鳴き声ともつかない大声がしてな。
弟は練炭に両足をつけて大火傷したわけ。

それで、俺もびっくりして母親に○○が!というと
飛んできてな、炬燵から弟を引っ張りあげて、抱えあげて、靴下を強引に脱がせた。
その勢いで足の裏の皮がそっくりとれてすっ飛んだ!
そこで止めればいいのに、母親はもう片方の足も同じことを・・・。そして同じように皮がペロリと剥けてすっ飛んだ!
足の裏は真っ赤でな・・・。
弟は泣き叫んでたと思う。が、それ以上に母親が動転してしまってな。
その後はどうしたのか・・・記憶は途切れてる。

目の前に、横たわった老婆を見て、俺は涙も出なかった。
徐々に呼吸が消えるように終わって
蒲団が盛り上がってこなくなった。
どんな人生だったのだろう・・・。楽しかったことなんかあったんか?幸せだったこと、あったか?
苦しかったか?悲しかったんか?

もう動かなくなってた。
そして、ひとつイベントが終了したように、普通に帰宅した。
板も止まってザラバも終わってた。
終われば、動かなくなるんだ、と思った。
朝まで新居の匂いがしたのに・・・それが全部、病院の匂いのようになった。
 

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