うとう見つけた伯母の養子のT君。ある筋の情報から意外に近くに住んでるということで、後場の寄り付きを待たずにポジションを放置したまま飛び出したよ。

もう一度書いておくと、5月に伯父が亡くなって独居老人となった伯母。この夫妻は残念ながら子宝に恵まれず、生後6ヵ月の養子を縁組して育てた。俺とは義理の従兄ということになるわけだが、俺は両親が52年前に離婚してオヤジに引き取られて以来、面識はなかった。伯母は俺の実母の姉で、実母は7年間の闘病の末に4月に亡くなった。ということで、伯母は現在86歳で独居となったわけだ。

本来なら養子のT君が育ての親である伯母の面倒を見るのが筋だと思うけど、この親子はすでに15年間音信不通の状態が続いていた。だからT君は当然伯父(育ての父親)の死に目にも会えず、また俺の実母の死も知らない。そしてこの老夫婦に対し散々迷惑を掛けた挙句に15年もの間、音信不通のまま放置していたわけだ。

そのT君を俺は伯父が重篤の状態のときに探し回ったが、見つけ出すことは出来なかった。結局住民票で現住所を割り出せばいいだけの話だったのだが、それには伯母が「迷惑をかける」という理由で断固として首を縦に振らなかった。まぁ、その意味もだいたいのところは聴いていたけれど、それでも戸籍上の親子であるなら当然、伯父の法定相続人でもあるわけで、遺書がある以上(検認の同意を得るために)探さないわけにもいかない。

というわけで、俺が知り合いを通じて人探しを依頼し、ようやく現況報告と現住所がわかったというわけだ。そして愕然としたことに、T君の現住所は伯母の家から車で15分程度の、ほとんど目と鼻の先の距離。T君はこの15年間で5回の転居を繰り返していた。

俺としても最後に会ったのが52年前なんで、半世紀ぶりの対面で少々緊張もしたし、まずは報告書にあった「生活保護受給者」であること、「無職」であること、「生活保護申請の理由が非常に曖昧」であること、「離婚後独居」であること、そして「方々に借金していて返済をしていない」ということ、を頭に入れた上で、アパートを訪ねた。

玄関で何度もインターホンを押したが出てこない。けれども表に回ると窓があいている・・・。20分ほど粘って、最後には窓から(1階の角部屋)大声をだして何度か読んでみると、ササッとカーテンが閉じられた。完全に居留守を使ってて、逃げの状態に入っているところを見ると、支払いの督促が頻繁にあるんだろうとすぐにピンと来た。
けれど30分ほど粘ってみると、観念したのか、玄関の扉がスッと開いた。

「誰だよ、おめぇ・・・」
なんとも怪訝な表情と怒ったような口調。
「Tさん、覚えてませんか?俺です。○○です」
そういうと、
「 何しにきた?」と。
「伯父さん、亡くなられたんですよ」と言うと、「○○が!?」とオヤジと言わずに名前で呼び捨てた。
「5月末です。探してたんですよ、半年も。でも、みつからなかったので・・・」
昼間というのに部屋はうす暗く、上半身Tシャツ、下半身はパンツ(下着)姿、髪は乱れてて、両の腕は手首から肘にかけてかなり深そうな擦り傷の痕。
「久しぶりですね、Tさん」
「お前、本当に○○か?」
「本人ですよ。思い出してくださいよ」
「ああ、なんとなくな・・・」

結局終始玄関先での立ち話で部屋には入れてもらえなかった。けど薄汚れてそうなので俺もそれでよかったけどな。立ち話で1時間以上・・・。俺も報告書の内容を思い返しながら、賢明に15年間の空白を埋めようとしたわけよ。でないと、伯母に何も言ってやれないからね。
その生活はまさにどん底で、ホームレスとは紙一重だ。45年前に自分が養子だと知って親(伯母夫婦)に反抗したこと、35年前に結婚して子供が出来たが25年前に離婚したこと。そうした家庭破綻の理由は事業で1500万の事故が発端だったこと。以来、一人で生活していること。6年前からは生活保護を需給してること等々・・・T君の口から出る言い訳はすべて俺の知ってる内容とかなりの落差があった。
「明日にでも、線香でも上げてやってくれませんか?」
「わかったよ、行くよ」
「伯母さんも心配してますよ。親不孝したと頭下げてやってくださいよ」
「ああ・・・」

人それぞれに様々な事情があって、それは全部違っていてどれ一つとして一般論で片付けられないことは俺も承知しているつもりなんだよ。けれども、「会いにきてくれて嬉しいよ」と涙を流しながら俺の手を握っているこの男は、俺に何一つ真実を話すことはなかった。この男の破綻の発端は、その筋との交友から始まったんだ。調子づいて遊び歩き、飲みまわり、そこで知り合った女と所帯を持った。その筋の幹部の従兄に当たる嫁の悪態は半端じゃなかったらしい。が同時に、その筋との金銭絡みとなり、追い込みをかけられて丸裸にされた。以降、生活に困って伯母夫婦にカネをせびる生活が始まった。

そんなことを繰り返しているうちに親と不仲になり、伯父が断絶を言い渡して以来15年もの間、居場所も教えず連絡もなく、転居を繰り返すうちに今日に至っている。今だって、何かあればその筋が出てくるだろう。まして伯父の相続絡みとなれば眼の色も変わるはずだし、事実「遺書の検認に立ち会ってくれますか?」と聞いた時、目が輝いたのを俺は見逃さなかった。

俺は今、「明日線香をあげに行ってください」と言ったことを猛烈に後悔している。「生みの親より育ての親」とはいうものの、カネにまつわる人間の狂気を嫌というほど見てきた俺としては本当に迂闊だったと。最悪の場合、T君が荒れてその筋を巻き込んでの揉め事に成る可能性も否定できないし、何より、独居になった伯母を悲しませることになるかもしれない。
一方、60歳を過ぎて体も弱ってそうなT君が、たとえ遺産目当てではあっても素直に伯母に「悪かった」と詫びてくれること祈る気持ちもある。

明日は俺も立ち会うか・・・と思ったり。それしか選択肢がないかもしれないからな。

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