久しぶりに師匠の墓前に参ってきた。
「師匠、申し訳ないけど、書かせてもらいます」と手を合わせ、お彼岸も近いのでデカチチと掃除をしてその後に奥様のところへ。
奥様は、初めてのデカチチを歓待してくれた。
「お昼、食べて行ってくださいね」
と鰻重の出前を取ってくれて、楽しく会食。
「もう5年になりますかね?」
「そうねぇ・・・」
「失礼ですけど奥様はおいくつになったんです?」
「もう70越えました。すっかりおばあちゃんよ」
「そんなことないですよ。まだお若いし。師匠はいくつで亡くなったんでしたっけ?」
「7つ上だから71ですよ」
「若かったなぁ・・・」
「そうね。ちょっと早かったわよね」
デカチチがこまめに動いて、珈琲を入れて持参した奥様の好物のブランデーケーキを切り分けた。
「入籍されたんですって?おめでとう」
「ありがとうございます」
「この人、息子みたいなものだから、不満があったら言ってきてね。私が叱ってあげます」
「そうします」
女同士、気が合ったみたいだった。

「師匠夫婦には子供がいないからな」
「それじゃ、心細いでしょうね」
「結構割り切ってたからなぁ。あの御夫婦は。社交ダンスやっててさ、結構有名だったんだよね」
「素敵」
「大会にも出場したりね。俺も見に行ったことあるけど」
「仲が良かったんですね」
「けどさ、師匠には外に認知した女の子が一人いるのよ。その件で揉めたりした時期もあったのよ。けど、そういうことを飲み込める夫婦だったんだよな」
「ああ、もしかして、あなたも・・?」
「ないない、俺は娘2人だけ(笑)」
「小説、じっくり読ませてもらいますから。ケラケラ」
車中でそんな会話しながらもどってきた。

夕食はパスタを茹でて、ナポリタンにして簡単にすませて、生ハムとチーズをつまみにワインを少し。その時にも師匠の話題。
「認知したってことは、相続とかも?」
「そう。自筆の遺書があったのよ。それで裁判所で検認してね」
「じゃ当然その子も相続でしょ?」
「それどころかさ、遺書には俺の名前もあったのよ」
「えーっ」
「その頃、俺も大変だって師匠はしってたんだろうな。けど、さすがに放棄したよ」
「そうなんです?」
「でさ、その時に、俺が娘さんに会いに行ってるのよ。もう家庭持ってて子供もいてさ」
「それで?」
「相続することは知ってたんだよ。検認のときに。でも、こんなにもらえないって」
「揉めなかったんですか?」
「全然。珍しいと思うけど。父を恨んだ時期もあったけど、いまは幸せに普通の暮らしができてるからって言ってたよな」
「欲がないんですね」

「遺書のことを聞いたとき、嬉しかったって。父は自分を気にしていてくれたんだって思ったって」
「なんか分る気がする」
「それで結局、俺が相続協議書を作ってさ、権利分の半分受け取ってもらった」
「どれくらい?」
「2000くらいだった気がする」
「じゃ、もしも、放棄しなければ・・・」
「結構もらえたかもしれないけどさ、確実に言えることは、貰ったらいまの俺はなかったよ」
「そっかーぁ」
「だからさ、その件では、奥様にも娘さんにも俺は感謝されたと思ってる」
「そうだね。師匠、いいことしたね。ケラケラケラ」

こんな話は小説に書くつもりはないけれど、俺は師匠から大事なものを相続してるからね。結局は俺が一番大きな相続してるわけだから、できる限り奥様のことは見守っていきたいんだよね。
明日はヤラレスタートだけど・・・
今夜は久しぶりにダブルのほうで寝るかな^^)
 
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株太郎 小説連載開始!今は亡き師匠との出会いから別れまで。
株太郎 自伝的連載小説【師匠】

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